2024年1月23日に開催された応用物理学会関西支部2023年度第3回講演会で、学部4年生の秋吉諒一くんがポスター優秀賞を受賞しました。
P-03 振動検知によるレーザー損傷発生位置センシング
秋吉 諒一1、三上 勝大1、宮坂 泰弘2
1近大生物理工,2量研関西研
秋吉 諒一1、三上 勝大1、宮坂 泰弘2
1近大生物理工,2量研関西研
講演会HP:https://jsap-kansai.jp/lecture/ ※秋吉くんの受賞コメントも掲載
高強度のレーザー光が、本来は透明で光の吸収が無い (はずの) 鏡やレンズに照射されると破壊されてしまう「レーザー損傷」を取り扱った研究です。私もこのレーザー損傷の研究で、博士の学位をいただいた思い入れのある研究テーマです。
従来は目視や顕微級で行っていた損傷検出を、発生する振動で取得し、その振動を解析することで損傷発生位置を特定する手法を実証しました。
先行研究では、超音波を用いた厳密な位相計測が必要であったり、マイクロフォンで計測するために遮音箱に入れたり、微小電流を検出するために金属電極を蒸着したり、と様々な工夫がなされてきた分野です。
我々の研究では、レーザードップラー振動系の光を当てておくだけ、数ミリ秒以上続く固有振動を活用するため厳密な位相計測や、時間分解能を必要としないといった特徴があります。
この研究分野は、最終目標はレーザー損傷が発生する予兆の検知になります。損傷してからでは遅いので、「そろそろ損傷しそう」を捉えられる技術の確立を目指していきます。
今回の発表は、秋吉くんが「こんな学会があるので、旅費も出してくれるので参加したいです」という持ち込み案件でした。私は「俺は行かれへんけど、それでもいいんやったら参加したら?」と答えた結果、こうなりました。
ただただ、この意気込みと努力と実力は称賛されて良いものだと思います。これからの活躍にも期待していきたいと思います。
最後に、とは言えこの時期は忙しく顔が疲れていたので、よさげな写真が撮れるまで幾度となく撮り直した写真を。本当に、おめでとう。
ポスター優秀賞を受賞した秋吉くん (右)
本研究は、量子科学技術研究開発機構 関西光量子科学研究所との共同研究として実施されました。