年度末ということで振り返りましょうか。
今年度の研究室の研究成果を、発表した人物毎にまとめてみます。
三上 勝大 (研究室主催・講師)
論文
・Evaluation of bone integrity around the acetabular cup using noninvasive laser resonance frequency analysis
Takuto Hatakeyama, Daisuke Nakashima, Katsuhiro Mikami, et al.,
J. Orthop. Res., 42(11) 2552-2561 (2024)
#医工連携のダブルコレスポ (責任著者2人で設定、三上は工学側の責任著者)
慶大医学部 (整形外科) 様との共同研究成果。
臨床試験での成果第一号。実際の手術室で得られたレーザー振動波形がインプラント設置位置の骨情報を含んでいることを報告しています。
最終的には、設置強度・安定性の評価に持っていきたいのですが、その前段階。
・Evaluating stiffness of gastric wall using laser resonance frequency analysis for gastric cancer
Tasuku Furube, Daisuke Nakashima, Satoru Matsuda, Katsuhiro Mikami, et al.,
Cancer Sci., 116(1) 143-151 (2024)
#医工連携のダブルコレスポ (責任著者2人で設定、三上は工学側の責任著者)
慶大医学部 (上消化器外科) 様との共同研究成果。
最近、よく発表している内容です。ガンはしこりのように硬くなる (柔らかくなる場合もある、特に転移する場合)。
その硬さをレーザー照射によって判断して、検出しようという試みです。
学会発表 (登壇分のみ)
・Investigation of elastography for soft tissue by laser-induced photo thermal elastic wave
OPIC ALPS2024
・軟性力学ファントム作成に向けたレーザー粘弾性計測手法の検討
第85回応用物理学会秋季学術講演会
・レーザー誘起熱弾性波による胃がん診断に向けた非臨床試験
レーザー学会学術講演会第45回年次大会
・可聴領域の光音響振動を用いた非臨床試験 胃がん検出の実証
第72回応用物理学会春季学術講演会
・その他 共著20件
秋吉 諒一 (博士前期課程1年)
主に、(国研) 量子科学技術研究開発機構 関西光量子科学研究所 様との共同研究を担当してくれています。
学会発表 (登壇分のみ)
・Detection of laser-induced damage onset by the vibration
OPIC ALPS2024
・振動検知手法による異なるパルス幅におけるレーザー損傷検出
第85回応用物理学会秋季学術講演会
・レーザー誘起振動による光学素子損傷のリアルタイムセンシング手法
第9回フォトニクスワークショップ
・レーザー誘起振動を用いた損傷検出における照射パルス幅の影響
2024年度 電気学会関西支部 若手研究発表会 #奨励賞 受賞!
・短パルスレーザーによる損傷発生検知性能の向上
レーザー学会学術講演会第45回年次大会
・MHz帯域振動検知によるレーザー損傷の事前検出
第72回応用物理学会春季学術講演会
寺内 玲碧 (博士前期課程1年)
主に、(株) オプト・システム 様との共同研究を担当してくれています。
学会発表 (登壇分のみ)
・半導体チップのレーザー破断検査における振動動態解析
第85回応用物理学会秋季学術講演会
・レーザーを用いた微小半導体チップの非破壊検査における振動動態解析
第9回フォトニクスワークショップ
・半導体チップのレーザー振動を用いた非破壊検査および解析
レーザー学会学術講演会第45回年次大会
松山 哲也 (博士前期課程1年)
主に、慶大医学部 (整形外科) 様との共同研究を担当してくれていますが、AI・機械学習担当として研究室のほぼすべての解析に大なり小なり手伝ってもらってます。
学会発表 (登壇分のみ)
・Estimation of Bone Density by Machine Learning with L-RFA data
OPIC ALPS2024
・レーザー共鳴振動周波数解析と機械学習を用いた骨密度推定
第63回日本生体医工学会大会
橋本 匠吾 (学部4年生・大学院進学予定)
主に、慶大医学部 (整形外科) との共同研究を秋ごろまで担当してくれていましたが、現在は新たな計測アプローチを切り拓くために実証試験に取り組んでくれています。
学会発表 (登壇分のみ)
・スクリュータップL-RFAによる整形外科インプラントの設置骨評価
第63回日本生体医工学会大会
・レーザー誘起振動解析による整形外科インプラントの固定力評価
第72回応用物理学会春季学術講演会
渕田 藍 (学部4年生)
主に、国立循環器病研究センター 様との共同研究を担当してくれていました。来年度からは他研究室に移籍。健闘を祈る。
学会発表 (登壇分のみ)
・悪性腫瘍硬度診断を目標としたPVAの架橋物質を用いた粘弾性特性の評価
第63回日本生体医工学会大会
・レーザー計測を併用した血栓模擬材料の作製
近畿臨床工学技士会2024
池田 聖 (学部3年生)
主に、慶大医学部 (上消化器外科) との共同研究を担当してくれていますが、配属直後は解析担当として国循様との共研にいきなり参画してひと仕事してくれました。来年度は本格的に機器制御担当を研究室内で立ち上げる予定で、彼に任せます。
学会発表 (登壇分のみ)
・病理診断画像を用いたレーザー共鳴周波数解析への影響評価
第72回応用物理学会春季学術講演会
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以上。…なんか、大学の研究室というよりベンチャー企業みたいです。
大学院進学を目指す人は、基本的にどこかと共同研究をメインに頑張ってもらうか、研究室の新しい技術を切り拓いてもらうか。
学部卒の人は、希望する進路と相談して研究内容を決めています。
もちろん、必要最低限で完了させる人も居れば、大学院に残ってくれたらいいのに…と思うくらいバリバリする人もいます。
要するに、ウチは完全オーダーメイドです。
少なくとも決めているルールは、所属学生同士で一緒に行うチーム研究はしません。先輩から引き継ぎだったとしても、装置を引き継ぐだけで微妙にテーマは変えるので、自分が研究をしない限り何も成果は生まれないというスタンスは徹底します。
なので、各々は研究を進めるためのツールを教え合ったり、解析方法を相談して協力することはあってもデータ共有はせずに協力する形をとります。
これが良いのか悪いのか分かりませんが、自力を鍛えてほしくて。あと、直接的に自分の成果に関係の無いテーマに首を突っ込んで、勉強する大切さも知ってほしくて。もちろん、三上が手を広げすぎていて人手が足りない!ということもあります… (苦笑)
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